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龍泉洞応援イベント『岩泉「命の水」をたどる~その源から恵みまで~』を開催しました!!

龍泉洞応援イベント開催しました!!

平成28年8月に発生した台風10号により甚大な被害が出た龍泉洞が、営業を再開したことを受けて、平成29年3月25日(土)に、龍泉洞応援イベント『岩泉「命の水」をたどる~その源から恵みまで~』を開催しました。

龍泉洞は鍾乳洞としてだけでなく、透明度の高い水がたまる地底湖も有名です。この水が長い月日をかけて、鍾乳洞を作り上げる訳ですが、その水は町の水源、生活用水としても使用され、人々の生活を支えています。では、その水がどこからやってくるのか、今回専門ガイドとともに見学することにしました。

岩泉町三陸ジオパーク推進協議会 佐々木会長より行程の説明

満員御礼の21名(うち小学生4名)が参加くださいました。宮古市や田野畑村、山田町のほか、盛岡市、八戸市、さらにはボランティア活動のために岩泉にいらしていた滋賀県、長崎県の方もいらっしゃいました。初めて龍泉洞に入る方、数十年前に入ったきりの方など、再開のタイミングに合わせてお越しいただけたようです。

 

まずは、再開した龍泉洞を見学しました。

鍾乳石を解説するガイド

歩道や照明が復旧した洞内には、イベント参加者以外にも多くの方々がいらっしゃって、地底湖の美しさに見とれていました。

第2地底湖

 

お休み中のコウモリ

出口付近ではコウモリが間近にいました。台風前は人目に付かない場所にはいたのですが、しばらく閉洞していたためか、通路からすぐの場所で見ることができました。思わぬ出会いに、見学者は興奮を隠せない様子でした。

「水の出口」を見た後は、龍泉洞から標高差約200m上がった江川地区に向かいました。

バス車内でも解説

山間に牧草地が拡がっていますが(私有地のため柵内は立入禁止です)、そこに見える窪み、これが「水の入口」のひとつ、江川ドリーネです(ドリーネとはスロベニア語が語源で谷の意味)。ここから地下に入った水は、1週間程度で龍泉洞に出てくると言われています。参加者の足元の雪も、春が来て雪解け水になると龍泉洞から湧くはずです。

雪の江川ドリーネ

 

続いては町に向かい、「水の恵み」を見学しました。龍泉洞がある宇霊羅山のふもとにある商店街では、井戸や水路など水を活用した暮らしが根付いています。

水路のある、うれいら商店街

その代表が、日本酒造り。「八重桜」という日本酒をつくる、泉金酒造の酒蔵にお邪魔いたしました。

泉金酒造

「酒造りに使っている龍泉洞の水はきれいで美味しいが、酒造りは水だけでなく、職人の努力の結晶でもある」と強調されていました。確かにそうですね。職人さん、美味しいお酒をありがとうございます。

仕込み水を解説するガイド

 

以上、およそ3時間のコースでした。

「龍泉洞は前にも来たが、ガイドの話を聞いて新しい発見があった」、「もっと多くの疑問が出てきた」、「美味しい地元のものをガイドに紹介してもらいお土産ができた」など、たくさんのうれしい感想をいただきました。ガイドからも、「多くの方々が岩泉町を応援してくださっているのが、改めてよくわかった」との感想がありました。

 

これからも多くの方に足を運んでいただき、岩泉、三陸の魅力を楽しんでいただきたいと思います。

なお、このコースは、岩泉観光ガイド協会のガイドプログラムとして今後整備していく予定です。興味のある方は、ガイド協会(電話:0194-22-5955)にお問い合わせください。

 

 

 

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