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25.中長内遺跡(なかおさないいせき)

中長内遺跡

「琥珀工房跡」

中長内遺跡は、久慈市街地と久慈湾を望む南方の丘陵上にあり、この遺跡は1984(昭和59)年に国道45号線久慈バイパス道路建設工事の際に偶然発見されました。発見当初から工事現場ののり面に多数の住居跡と琥珀製玉類をともなう重要な遺構が確認されていたため、同年から2ヶ年にわたって緊急発掘調査が実施されました。
調査の結果、縄文時代の竪穴式住居跡数棟や落とし穴数基、奈良~平安時代の竪穴式住居跡60棟あまりが確認され、古代を中心とした集落遺跡であることがわかりました。古代の竪穴式住居跡の多くからは鉄器と琥珀が出土し、そのなかでも平安時代の1棟では1,036点もの琥珀原石及び小玉製作途中の破損品や細片が出土したことから「琥珀工房跡」と推定されています。しかし、加工技術的に未熟なことや、調査区全体でも研磨品が1点も見つかっていないことなどから、祭祀的用途の模造品製作の可能性も含めて、今後これらの謎の解明が待たれています。

出土した琥珀玉未完成品(中長内遺跡)

出土した琥珀玉未完成品(中長内遺跡)

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