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41.P-T境界層

地球史の一大イベントを物語る

2億5千万年前に起きた大量絶滅

短期間に多くの種類の生物が絶滅する「大量絶滅」は、生物が地球に誕生してから現在までに少なくとも5回起きたことが分かっています。なかでも約6600万年前(中生代白亜紀末)に起きた恐竜の絶滅はよく知られています。一方、あまり知られていませんが、約2億5千万年前(古生代ペルム紀末)に起きた大量絶滅は、種の大半が絶滅するという地球史上最大のものでした。このとき、古生代を代表する生物の三葉虫も絶滅しています。

大量絶滅の原因は未だ不明

このイベントが、古生代ペルム紀(Permian)とその後の中生代三畳紀(Triassic)との境界付近で起きたため、この時海底で溜まった地層を「P-T境界層」と呼びます。大量絶滅の原因はまだよく分かっていませんが、これまでの研究から当時の海に含まれる酸素の量が約2千万年にわたって著しく少なかったことが分かっており、これが絶滅に深く関わっていると考えられています。岩泉町で見られるP-T境界層はこの「海洋無酸素事変」を物語るもので、東北地方で初めて発見された地層です。これまで西日本で知られているものよりも保存状態がよく、地球史上の大イベントをよく留めているとても貴重なものです。

PT境界線

マップ