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93.栗木鉄山跡(くりきてつざん)

栗木鉄山

明治から大正期の中小高炉製鉄所の中で製鉄所構内を唯一遺存

栗木鉄山跡は伊達藩直営の洋式高炉から発展するかたちで、明治14年建設されました。高炉の基本構造や規模、生産能力などは大島高任が築造した大橋高炉(釜石鉱山)とほぼ同形、同能力であるとされます。大正9年まで稼動し、第一次世界大戦の需要を支えていたと言われています。栗木鉄山の高炉の特徴は、原料立地型の小型のものであり、作業床に桟橋を架設した設計方式にあります。現在は栗木鉱山跡に高炉を見ることができませんが、石垣や水路等の保存状態は良好であり、高炉や設備の位置は遺構の状況から推定できます。わが国の明治から大正期の中小高炉製鉄所の中において、栗木鉄山跡は製鉄所構内を遺存している唯一の例で、産業考古学的に高い位置づけを与えることができます。また、生産された銑鉄は、山を越えて水沢地方に運ばれ南部鉄器の材料となった点においても、地域産業への関わりに大きな役割を果たしていました。

栗木鉄山跡

栗木鉄山跡

栗木鉄山跡見学ツアー

栗木鉄山跡見学ツアー

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