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気仙沼でジオパーク学習会を開催

7/15(月・海の日)に、気仙沼市のジオサイトをめぐるツアー形式の学習会を気仙沼市と共催しました。
参加者は、地元ボランティアガイドを中心に総勢38名。
岩井崎(いわいざき)、鹿折(ししおり)金山資料館、唐桑半島御崎(おさき)の3ヶ所を1日がかりで見学するコースです。

朝、宮古を出発する時は大雨でしたが、南に向かうにつれ天候が回復し、気仙沼に到着した時には雨がやんでいました。参加者の日頃の行いに感謝です。

まずは、「潮吹岩」で有名な観光地である岩井崎。残念なことに潮は吹いていませんでしたが、岩井崎はそれだけではありません。
『「潮吹岩」がある白っぽい岩石は、2億7千万年~2億6千年前頃にできた石灰岩。岩石の中には、ウミユリやサンゴの化石がびっしりとあります。これらの化石は、岩井崎の大地が、その当時、赤道付近の暖かい海にあったことを物語ります』、と、本日の講師である永広東北大学名誉教授の話に、皆さん興味津々。

皆さん興味津々

岩石にじっと目をこらし、皆さん化石を発見できたようです。

次に訪れたのは、昨年の10月にリニューアルオープンした鹿折金山資料館。
資料館裏の山にはかつての坑道が4ヶ所あり、そのひとつから、セントルイス万博にも出品された「モンスターゴールド」と呼ばれる約2kgの自然金が見つかったそうです。真新しい建物のなかに、ところ狭しと並ぶのは、「手掘りで採掘した金を含む石から金を取り出し、金の純度を上げるまで」の一連の作業に必要な道具や操業当時の写真。
金山に関わった先祖から4代目にあたる中村館長が丁寧に解説してくださいました。

リニューアルオープンした鹿折金山資料館

最後は唐桑半島の先端、御崎です。
遊歩道を歩くと、太平洋はもとより、北は広田半島、綾里崎、南は牡鹿半島、金華山まで見渡せる、絶景ポイントが続きます。そのうちのひとつ、「八隻曳(はっそうびき)」。ごつごつとした岩が露出し、うねうねと蛇行する地層が特徴的です。

八隻曳

ミルフィーユの様な、この地層はおよそ2.5~2億年前の海底に堆積したものです。ミルフィーユ1枚1枚をよく見ると、さらに細かく“なみなみ“と地層が曲線を描いています。これは「さざなみ」の痕跡だそうです。およそ2億年前の「さざなみ」が見えるなんて、壮大なロマンを感じますね。

ミルフィーユ

地元ガイドさんにも御崎の歴史について解説いただきました。
「八隻曳」は、近くにある御崎神社の祭神が八隻の船で上陸したという言い伝えが残る場所だそうです。

気仙沼には見どころたくさん!

1日でまわるには盛りだくさんの内容でしたが、見慣れた景色に隠れたジオストーリーに触れ、太古の地球史から身近な歴史まで、時間スケールの大きいストーリーを満喫できたツアーとなりました。
このほかにも気仙沼には、まだまだたくさんの見どころがあります。
気仙沼の大地の魅力をもっと知り、ジオパークを盛り上げていくためにも、こうした学習会を今後も企画していきたいと思います。