資源群からつながる近代化産業遺産
国内屈指の産出量を誇る久慈琥珀、平泉の黄金文化を支えた気仙産金、広く三陸で行われていた「たたら製鉄」に始まり、日本の近代製鉄の礎を築いた釜石など、三陸の豊富な資源群が地域の文化、産業を支えてきました。
近代製鉄発祥の地
釜石鉱山一帯は良質な鉄のほか銅や金も産出しています。1857(安政4)年、盛岡藩士大島高任が大橋で日本で初めて鉄鉱石を原料に洋式高炉で連続出鉄(しゅっせん)に成功しました。明治に「釜石製鉄所」が発足し、製鉄の町として繁栄しました。
久慈琥珀
琥珀とは、地上に繁茂していた樹木の樹脂が土砂などに埋もれ化石化したものです。久慈の琥珀は、およそ9000万年前の白亜紀のもので、ナンヨウスギの樹脂からできたと考えられています。
野田玉川鉱山跡
電池などの原料となるマンガン。かつて野田玉川鉱山は日本有数のマンガン鉱山として知られていました。
現在、マンガン鉱山の様子が見られるのは日本ではここだけで、坑道の一部は一般公開されています。
気仙の豊富な産金
気仙地域には金山跡が数多くありますが、玉山金山跡(陸前高田市)の金鉱床は最も古いおよそ4億5千万年前のもので、水晶とともに産出されます。周辺の金山もおよそ1億2千年前にできた鉱床とされます。