美しい海岸と地形が織りなす癒しの空間、中三陸

早池峰山

早池峰山

田野畑村・岩泉町・宮古市・山田町

中部エリアには、北上山地の最高峰(1,917m)である早池峰山(宮古市)や日本有数の地底湖で知られる龍泉洞(岩泉町)、海岸線の景観が美しい浄土ヶ浜(宮古市)や北山崎(田野畑村)など、三陸のジオを象徴するジオサイトが数多くあります。

龍泉洞(岩泉町)

龍泉洞(岩泉町)

浄土ヶ浜(宮古市)

浄土ヶ浜(宮古市)

 

ジオサイトの楽しみ方も充実

山に登って貴重な高山植物や広大な準平原地形を眺める。鍾乳洞を探索する。サッパ船に乗って海からジオサイトを巡る。そんなアクティブで刺激的なジオツアーを体験してください。

サッパ船アドベンチャーズ

サッパ船アドベンチャーズ

可憐に咲くハヤチネウスユキソウ

可憐に咲くハヤチネウスユキソウ

 

また、この地域には学術的にも極めて貴重な地質が分布しています。日本で初めて恐竜化石が発見された茂師海岸(岩泉町)や、1億1千万年前頃(中生代前期白亜紀)のサンゴやウミユリなどの海のいきものの化石が多産する宮古層群(宮古市)、古生代と中生代の境目に起こった海洋無酸素事件を物語るP-T境界層(岩泉町)など、ワクワクするようなジオサイトが各地にあります。

平井賀漁港で見られる白亜紀の津波堆積物

平井賀漁港で見られる白亜紀の津波堆積物

P-T境界層(岩泉町)

P-T境界層(岩泉町)

 

沿岸には、田老の防潮堤やたろう観光ホテル(宮古市)などの震災遺構、羅賀の津波石(田野畑村)や各地の津波記念碑、更に1億1千万年前頃(中生代前期白亜紀)に起きた津波の堆積物などが残されています。東北地方太平洋沖地震による津波の痕跡だけでなく、太古から繰り返される津波の歴史や、災害と向き合ってきた人々の暮らしに触れることができます。

たろう観光ホテル(宮古市)

たろう観光ホテル(宮古市)

ちょっと専門的なお話 中部エリアのジオ

三陸ジオパーク中央部に位置する早池峰山(宮古市)は、早池峰複合岩類と呼ばれる4億5千万年以上前(古生代オルドビス紀)の古い岩石からできています。この岩石はかんらん岩や蛇紋岩と呼ばれるもので、崩れやすく植物が育ちにくいのが特徴です。そのため、ハヤチネウスユキソウやナンブトラノオなどの厳しい環境で生育する固有種が多く見られるほか、140種もの稀少な高山植物が分布し、国の天然記念物に指定されています。

早池峰山以北の地質は主に「北部北上帯」と呼ばれています。これは古生代から中生代にかけて海洋プレート上にたまった海の堆積物が元になっています。それらが中生代ジュラ紀に海溝で大陸プレートに張り付き、地殻変動によって陸地化し、現在の北部北上帯になりました。このようにできた北部北上帯の地質は極めて複雑で、これが三陸ジオパークの多彩な景観を作り出しています。

内陸の岩泉町周辺では、この北部北上帯を構成する地質のひとつである石灰岩が北部エリアから帯状に分布しています。ここでは、国内最長の総延長をもつ安家洞や大規模な地底湖で知られる龍泉洞(いずれも岩泉町)など、独特の景観を見ることができます。

また岩泉町の林道沿いでは、その当時の海洋生物の9割の種が絶滅した古生代と中生代の境界(2億5千万年前)に深海底で堆積した黒色の地層が発見されました。これは当時の海で100 万年以上の期間に渡って無酸素状態が続いたことを示す極めて重要な証拠です。

海岸の地形を見ると、宮古市周辺を境にして北部は北山崎や鵜の巣断崖といった断崖が続く荒々しい景観、南部は「さながら極楽浄土のごとし」と称された浄土ヶ浜や複雑に入り組んだ船越半島から山田湾にかけてのリアス海岸など、バリエーションに富んだ景色を楽しむことができます。

このうち、見るものを圧倒する北山崎は、前期白亜紀の大規模な火山活動の際にできた地層でできています。これが地層や割れ目の向きに沿って直線的に侵食され、現在の姿となりました。

海岸線に点在する宮古層群は、前期白亜紀の示準化石であるアンモナイトや三角貝、サンゴ類などが種類、数ともに多産する、地質学的にとても貴重なスポットです。この宮古層群からは、日本初の恐竜発見となったモシリュウ化石も産出しました。

沿岸部は繰り返し甚大な津波災害を受けてきた地域でもあります。田老の防潮堤やたろう観光ホテルなどの東日本大震災の遺構のほか、過去の津波で運ばれた津波石や各地の津波記念碑、さらに1億1千万年前頃(中生代前期白亜紀)に起きた津波の堆積物など、東北地方太平洋沖地震による津波の痕跡だけでなく、太古から繰り返される津波の歴史や、災害と向き合ってきた人々の暮らしを幅広く学習できます。