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84.合足(あったり)の津波石

合足の津波石

祈りをささげた「龍神の石」

津波が海底・海岸の岩石を湾内奥地まで押し上げた「津波石」は、三陸で繰り返される津波の痕跡と、その大きなエネルギーを感じさせます。外口地区にある「合足の津波石」は明治三陸津波の時に押し流されたものです。外口海岸より約66m内陸に入った杉林のなかにひとつだけある巨石です。1.1×2.5×1.3mを測る岩で、海岸沿いに津波石と同種の泥岩が分布します。津波石にはフジツボが付着していることから、かつて海中にあったことがわかります。東北地方太平洋沖地震・津波でも津波が押し寄せましたが、動きはしませんでした。
外口海岸はリアス海岸の地形の狭い湾内に位置しており、津波のエネルギーが屈折や反射による効果で集中して押し寄せ、巨石を運んだと考えられています。明治三陸津波における三陸沿岸への津波の遡上高は、三陸町綾里で38.2mが記録されていますが、近隣にある外口にも大きな津波があったものといわれています。
津波石は少し前まで、「龍神の石」と呼ばれ津波の惨状を繰り返さないよう祈ったものと伝えられていました。現在も林のなかで保存状態良く残っています。

合足の津波石

合足の津波石

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