龍泉洞などの地下にある鍾乳洞の天井部分が、地表付近で崩れたり、雨水が石灰岩の割れ目に沿って集中的に浸透する過程で周囲の石灰岩を溶かし、地上に陥没地形を造ることがあります。これをドリーネ(doline:すりばち穴・落込穴。語源はスロベニア語の「谷」)といいます。
岩泉町安家字江川にあるドリーネ(江川ドリーネ)は、ほぼ南北に4つ並び、北側ほど規模が大きくなっています。
最大の北側のドリーネは直径が95m、深さが17mほど。草地にある北側から2番目と3番目のドリーネは隣接し、長径100mほどのウバーレ(近接する複数のドリーネがつながってより大きな凹地となったもの)に近い形であります。南側のドリーネは林地内にあり長径30mほどの楕円形になっています。
石灰岩地域では地下に鍾乳洞を造るだけではなく、ドリーネのような地表にも特徴的な地形を造ります。